看護師と助産師と

看護師の免許をとってから、助産師に憧れ、助産学校に再入学し、無事卒業。助産師として、社会人のスタートラインに立ち、期待と希望を胸に大きな国立病院で就職した。しかし、助産師枠での就職であったのにもかかわらず、退職を予定していた方が数名居残ることになったとのことで、看護師として病棟配置されることとなった。納得がいかないままの就職となったが、すでに配置も決定しており、いわれるがまま勤務することとなった。

学生時代、実習などで、怖かった看護師の指導者さんや先生をみてきてはいたので、多少の波にはもまれているつもりではいた。最初の3週間ほど初期研修を終了し、いざ病棟勤務。プリセプタープリセプティーシステムで新人教育しているため、担当のプリセプターには、仕事の悩みはもちろん、どこまで仕事ができているか、どこまで覚えたのかを常に報告し、プライベートではお酒を飲みに連れて行ってもらうことも数回あった。

最初は、覚えることに必死であったが、仕事を覚え、独り立ちし夜勤もするようになると、先輩や上司からも信頼を得るようになり、頼りにされることも多くなってきたある日、ある先輩に倉庫の物品の配置の模様替えを頼まれた。残業時間ではあったが、言われたとおりに配置換えを行い、仕事を終え帰宅。翌日、上司から呼び出しをうけた。なぜ、勝手に物品などの位置を変えたのかと怒鳴られた。先輩に頼まれたと伝える隙もないままに頭ごなしに言葉を浴びせられ、わけがわからないままでいると、配置換えを頼んできた先輩をみると、周りの上司と一緒になり、私を攻め立てている。

先輩が、意図的に仕組んだことだったのだろうか。それをきっかけに、その先輩は「助産師だからなんだかエラそう」と口々に回りに言いふらし、患者さんにギリギリ影響のないレベルで、わざと私がミスしたかのように、様々なトラップをしかけるようにするようになった。大きな飲み会の誘いの企画があると、わざと私には教えずに、「新人のくせに欠席し、印象悪いね。社会人としての付き合いもわかってない。」などと言うようになった。それでも、勝手に言っていればいい。なりたかった看護師、助産師の仕事ができればよいと思い3年耐えたとき、その先輩が自分が犯した重大なミスを私に無理やり押し付けてきたのだ。

このままでは、犯してもない重大なミスをかぶせられ、看護師、助産師としても働くことができなくなってしまう。もう我慢ができず、患者さんにも影響を及ぼした先輩に、ぶち切れてしまったのだ。今までの散々な仕打ち、私にミスをしたかのように見せるために患者さんに仕掛けてきたトラップの数々すべて洗いざらいを、最上の上司に告発した。

当然そこではもう働くことはできない。告発と同時に自主退職をすることになった。とある先輩からの嫌がらせから始まった苦悩の3年間。それを見てみぬふりをする回りの先輩や直属の上司たちに、大人、とくに女社会のどろどろとした黒い社会をみた。これも社会勉強とでもいうのだろうか。あんな環境では、自分のなりたい看護師、助産師にもなることはできないし、そこに入院してくる患者さんたちもかわいそうであった。

それからは、どこの就職先でもこんなことは当たり前にあるのだろうと思うと、就職するのが怖くてしょうがなかった。人間関係に疲れた矢先、沖縄の文字がネット検索で引っかかった。もう腹をくくり、沖縄に思い切って移住を決意し、そこで就職した。まず、感じたのは時間がゆっくり流れているというのを本当に感じた。仕事で同じ業務をしているはずなのに、心にゆとりができる。みんな笑顔で挨拶をする。当たり前のことが、できていなかったことに気づく。気づくと沖縄にきて10年が経ち、良好な人間関係のもの働くことができている。